劇場版モノノ怪 唐傘を見てきた

雑記

近くの映画館ではやってないので、車で30kmほど走って見に行ってきた。

映像は綺麗だし、ぬるぬる動くけど、色んな意味で緩急が足りない。だいたいずっとグリグリ動くし、眩しい映像が続く。パチンコの当選時かよ!ってぐらいに目を殺してくる。これ、見ててキツい人もいるんじゃ無いだろうか?

音響はとてもいい。そういう意味では劇場でちゃんと見る価値のあるレベルには達してると思う。

さて、そんな感じの作品なので一回見ただけだと、情報がうまく整理できない。本当ならもう一回ぐらい見てから書くべきな気はするけど、また30km走って見にいくほどかと言われると微妙な気はするので感想をまとめてみる。

今回のモノノ怪は唐傘。舞台の大奥で井戸の中に捨てなければならなかったモノと、身投げをした女性たちの情が混じり合うことで産まれた付喪神ってところだと思う。多分、特定の誰かの強い何かではなくて、大奥の歪な環境が積み重ねてきた感情の積層。

それゆえにかは知らないけど、何というか分かり難い。

TVシリーズでは、キャラクターが語る表の言葉とは別に、隠されていた裏の言葉をぶっちゃけてたんだけど、唐傘ではそれが無いんだよね。なんていうか、表面上はみんないい子で、いい子のまま終わる。

大奥という閉鎖された世界で渦巻くドロドロしたものを求めていた俺からすれば拍子抜け。というか、キャッチコピーの「豪華絢爛な大奥に渦巻く情念」とは何だったのか?

メインキャラであるアサとカメからして表に出る言葉だけで描写されてる。だいたいにおいて、カメとか実際に職場にこんなヤツいたらぶん殴ってやろうかと思っても不思議はないキャラなんだけど、アサは徹頭徹尾カメを庇う。アサ優しい子。いや、そんな言葉で済ませれるレベルちゃうだろ。

カメだって、あんな感じなんだけど本当はみたいな裏側が開示されない。おいおい、お前ただのダメなヤツ以上の何でもないんかい。麦谷にいびられて可哀想とか思うよりも、麦谷の言葉通りだよなー。としか思えないのはどうなんだ……

モノノ怪シリーズって、基本的に情念の話なのにその情に共感できるまでのキャラクター掘り下げや描写が今作においては全く足りてないとしか思えないのよね。

大奥でなんかバタバタしてたらモノノ怪が出てきたけど、薬売りさんが解決しました。お終い。

ぐらいの話ですよ、マジで。

まぁ、三部作の初回だからまだ色々表に出せない部分もあるんですよ。というのもあるかもしれないけど、それにしても薄味。すごく豪華なお皿に入った薄味のスープ。

おまけにキャッチコピーや事前の予告編とかで、ドロドロギトギトのこってりを期待させて出てきたのが、上品な薄味スープなので、感覚が狂うんですよ。こっちも。

主題歌のアイナ・ジ・エンドのLove Sick聴いてみろよ。絶対にドロドロした愛憎劇を期待しちゃうでしょ!俺の期待が間違ってたとは言わせねぇ。ミスリードが過ぎる。

ただ、俺がミスマッチな期待で口にしたせいで、その薄味スープが凄いこだわりの素材の積層であって、全編通した時に「そういう事か!」と膝を打つ可能性が無いとは限らないので、現状の評価としては期待からは外れていたという辺りに止めたいと思います。

現段階での評価は星2よりの星3。

いい映像と動きと音を映画館で楽しめて、なんじゃこれ!とブチ切れるほどダメな話ではないので、まぁ鑑賞してもよろしいのではないでしょうか。

火鼠も見に行く所存であります。

タイトルとURLをコピーしました